個別指導の塾講師として採用が決まり、いざ「授業」をする時が来た時。意外にも個別指導で数学の教え方に悩む先生は多いんです。なぜなら、「自分は解けてしまう」からですよね。数学が解けない生徒や苦手な生徒への教え方について、代表的な教え方をご紹介します。
苦手な生徒が多い数学。効果的な教え方とは!?
今回は、数学の中でも一番基礎となる単元をピックアップしてご紹介します
計算の教え方:四則計算が正しく出来るかどうか最低限チェック
数学を苦手とする生徒に最も多い要因の一つは「計算ミス」の多発です。
方程式も文章題も図形問題も、全ては基本的な計算が最後まで正しくできるかどうかが大事です。
どんなに難しい問題の解き方が分かっていたとしても、最後の計算ミスが大きな影響を及ぼすことがあります。
小学校の算数で習った足し算・引き算・掛け算・割り算、どれも大事な計算方法です。
その発展型として、分数の計算・小数点の計算ができるかどうかがカギとなります。
とても基礎的なことですが、中学受験や高校受験で合否を決めるのが「計算ミス」の有無です。
自分が担当する生徒の「計算ミス」がどこで起きているかを確認し、もし計算方法が曖昧になっている場合はすぐに正しい計算方法について指導しましょう。特に分数・小数点の計算は小学校で習いますが、その後中学・高校・大学・社会人となっても使います。生徒の将来を考え、ていねいに正しく理解できるまで根気よく指導する必要があります。
文章題の教え方:方程式は「等式」が成り立つことの意味を図解しよう
中学生が数学嫌いになる第一歩が方程式の文章題です。
一次方程式でつまづく生徒は、二次方程式の文章題は見るだけでも嫌な気分になるかもしれません。
こんな場合は、一次方程式の「等式」についてしっかり理解できるようにしましょう。
例えば、以下のような問題があります。
Aさんはお土産にクッキーをもらったので、友達に分けようと考えました。
クッキーを3個ずつ配ると1個足りず、2個ずつ配ると5個余ります。
Aさんの友達は何人いるのでしょうか。
この時点で嫌いなオーラを出す生徒もいそうですね。
まずは、Aさんの手元には何個かのクッキーがあること思い浮かべましょう。
そのクッキーを友達に同じ数ずつ分けたいのですよね。
分からないのはAさんの友達の数ですので、ここを求めるべき「x」と置いてみましょう。
2行目には気になる表現がありますね。
①3個ずつ配ると1個足りない。
②2個ずつ配ると5個余る。
この2つはどちらもクッキーの量を表しています。
もう少し、数学的に言うと、①の量=②の量となります。
①を量を数式に置き換えると・・・3個ずつx人に配ると1個足りない→3x-1
②の量を数式に置き換えると・・・2個ずつx人に配ると5個余る→2x+5
①と②の量は等しいので、3x-1=2x+5と書くことができますね。
この一次方程式が解けば、xの答えは6であることが分かると思います。
※量を数式に置き換える時点でつまづいている場合は、同じような類題をたっぷり解かせてから挑みましょう。
ここで!
とっても大事なのは、本当にxの答えが6であるかということです。
多くの生徒がこの確認をせず、答案用紙に書いて満足してしまいます。
①の量=②の量 であることは分かっているので、
①の数式、②の数式それぞれのxに6を代入して答え合わせをしてみましょう。
もし①と②の量が違っていたら・・・それはどこかで計算ミスをしている証拠です。
数学の文章題の良いところは、答えを出した後の確認で自分のミスに気づけることです。
生徒の答えが合っていたとしても、「見直しはできてる?」「それは本当の答え?」と生徒自身に確認するように促すことも塾の先生として立派な指導です。
図形の教え方:数学の図形問題は基礎固めが大事
中学1年生になると、いろいろな図形の名称や図形に関する独特な単語がでてきます。
線対象・点対象・平行・直角・円錐・四角柱・ねじれの位置(!?)・・・など
覚えることが急に多くなるのです。
これも数学が嫌いになる一つの要因です。
この名称を、形と共にしっかり正しく覚えておかないと、中2・中3、その後の高校数学でも困ることになります。
図形問題が苦手という生徒を担当する際は、基本となる図形の名称や言葉を理解できているかどうか確認をしましょう。
特に、空間図形に関しては、立体の奥行・裏側等が正しく想像できていないこともあります。
可能な限り実物を見せ、自分で書いてもらうのも良いです。美術の授業並みに、いろんな図形を書いてみましょう。
立体を切って見せたり、展開図を自分で書いた後に組み立てさせてみたり・・・図形問題はこの作業をしたかどうかで、その後の単元で出てくる問題への理解度も変わってきます。
数学の途中式を省かせない教え方が大事
記述式の試験において、算数や数学では最終的な解答が答えられなくても、答えを出すまでの過程を見せることで加点してもらえる可能性が高くなります。
これは中学受験・高校受験・大学受験でも活かせる一つのテクニックです。
どんなに面倒でも、どんなに簡単な計算式でも省くことなく解答用紙に書くように癖をつけておけば、試験本番で役立つ日が来ます。
途中式を書くことのメリットは、加点だけではありません。
自分が答えを出すまでの道筋を視覚的に確認できるので、見直しをする時にも役立ちます。
途中式を省きがちな生徒に出会ったら、その大切さを教えてあげましょう。
加点される1点が、入試の合否を決める1点になるかもしれません。
数学は「解ける」ことを「楽しめる」ように指導する
自分が得意な科目というのは、得点率の高い科目とイコールではないでしょうか。
もしくは問題が「解ける」ので、苦にならないのかもしれません。
生徒全員を数学を好きになってもらうことは非常に難しいのですが、せめて問題を解くことを楽しんでもらいたいというのは塾講師の願いです。
毎回授業で嫌々問題を解いている姿を見るのは塾の先生も苦しいですよね。
例えば、解けるだろうと思って10問の演習問題を解かせたものの、答え合わせでは1問しか合っていなかった場合。
生徒としては「やっぱり自分はダメなんだ(だから数学は嫌いだ)」という気持ちになってしまいます。
この後の授業は暗い気分になってしまうので、塾講師側も問題の出し方を調整しなくてはなりません。
こんな時は、この解けなかった経験を逆手にとってみることをおすすめします。
まずは1問目の類題をもう一度復習し、その演習問題を自力で解かせるようにします。
同じように2問目の類題を復習し、その演習問題を自力で解かせるようにします。
このサイクルを繰り返します。
最後に、一番初めに出した10問をもう一度解かせてみるのです。
2回目の正答率は生徒が成長した証ですので、「すごい!数学が解けるようになってるね!」「ここまでできるなら安心だね!」と褒めてあげましょう。
生徒自身が「自力で数学の問題を解けた」ことを視覚的に認識してもらうために、1回目に解いた時の解答用紙も一緒に見せてあげるのも良いでしょう。
どんな生徒も、今まで解けなかった問題が自力で解けるようになると、嬉しい気持ちになります。
好き・嫌い関係なく、自分の力で解けたという経験はモチベーションUPにつながるのです。
「授業中、1問も自力で解けなかった・・・」ということがないように、注意しましょう。
この小さな成長を見届けることができるのが個別指導塾講師のやりがいに繋がります。
数学の教え方が悪い?生徒の表情が暗い時は。
数学の教え方は、指導回数を多くこなすことで上達します。
数学は解法を一気に教えてしまうと、生徒のほうが途中でついてこれなくなることがよくあります。
生徒が正しく理解できなかったときは、塾講師が焦らず「ここまでで質問はある?」というように、段階を踏んで理解度を確かめるようにしましょう。
少しずつ聞いていくうちに、生徒が理解していない根本的な原因が見えてくるようになります。
例えば、方程式の問題が解けない生徒の場合、実際は分数の通分が理解できていなかったなど。
生徒の表情がずっと暗かったり、たびたび問題を解く手が止まってしまうときは、別のことで悩んでいることもあります。
生徒の表情がずっと暗いままであれば、その要因を探ることも大切です。
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多くの教室で、数学に対する苦手意識の強い生徒が通っています。
特に算数や数学は積み重ねが大切な科目であるため、日頃の定期テスト対策以外にも、不得意な単元を少しずつ解消できるような授業を行う必要があります。
生徒の成長具合が分かりやすいのは理系科目ならではの特徴です。
自分が教えた内容を、生徒が理解して解いてくれる姿を見ていると非常にやりがいを感じますよ。
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