塾や予備校には塾講師の他に学習に関するアドバイザーとして「チューター」がいます。通っていた塾のチューターの存在が受験期の心の支えとなっていた方もいるのではないでしょうか。今回は首都圏で展開する学習塾「栄光ゼミナール」や「栄光の個別ビザビ」「大学受験ナビオ」の教室内で活躍するチューターや塾講師の体験談を交えながら、チューターと塾講師の違いや仕事内容について紹介します。
塾や予備校のチューターはどんなことをするの?
予備校と学習塾のチューターは、授業を担当するのではなく、教室運営に関するサポート業務や生徒との面談や質問対応などを中心に行います。
基本的には正社員の講師や塾長の事務サポートがメインとなるため、事務スタッフと近いイメージを持つ人もいますが、生徒たちとの接点が多く、コミュニケーション力が求められる職種となります。
塾によって異なる場合もありますが、大枠としてはこのように考えた方が良いでしょう。
チューターと塾講師の違いは、「授業」を担当するかしないかが大きな違いです。
塾講師は授業として時間内で生徒に「指導」をしますが、チューターは授業で分からなかったところをより具体的に教えてあげたり、自分で答えを見つけられるような「サポート」が主体となります。
あくまでも授業を行うのは塾講師、そのサポートとして質問の対応をするのはチューター、このように職種を分けている学習塾も多くあります。
予備校のチューターと学習塾のチューターの違いはある?
予備校は大学受験を目指す生徒(現役の高校生・浪人生・社会人)が通う場です。
生徒からの質問内容も受験に特化した内容が多く、より実績のある人がチューターとして求められるため、選考時には高い学力を求める予備校もあります。
逆に、学習塾では小学生から高校生まで、幅広い学年の生徒が通います。
チューターへの質問内容も、勉強の進め方や定期テスト対策の勉強法など、学校の勉強に関する相談が多くなります。
具体的な仕事内容についてそれぞれご紹介しましょう。
予備校のチューターの仕事
予備校のチューターの主な仕事内容としては教室の整備や教室運営に関するサポート、生徒からの質問対応などが含まれます。予備校のチューターは、それぞれ専門科目に特化した指導ができることが前提とした上で採用をしています。
僕がいた予備校には、進路相談室に「チューター」がいて、受験についていろんな相談事に乗ってくれました。歯学部・医学部系の専門的な知識を持っているチューターもいて、憧れでしたね。
多くの予備校では大学生がチューターのアルバイトになることが多いのですが、社会人の方もチューターとして活躍することは可能です。
生徒との定期的な面談を行ったり、受験情報を伝えるためのホームルーム等を開き、受験に関する情報を正確に伝えることが予備校のチューターの主な業務となります。
あらかじめチューターそれぞれに担当する生徒が決められることもあれば、その学年全体を任される場合もあります。
チューター自身がある程度の受験経験や学力を保持していないと、生徒からの質問を受けて答えるのが難しい場面も出てきます。
そのため、予備校のチューターバイトの選考では、得意科目や分野の学力レベルを問う予備校がほとんどです。一部の塾では浪人経験がある方を前提としていたり、塾側からの推薦がないと採用されないこともあるそうです。
このほか、受験勉強へのモチベーションの保ち方、受験期の気持ちの切り替え方など、実際に自分が乗り越えてきたことを基にアドバイスを行います。
予備校のチューターの場合、担当する対象は高校生の他に浪人生も含まれます。
チューター自身がこれまで経験をしてきたことに加えて、もっと早いタイミングで知っていたら良かったことや失敗した体験なども受験生には伝えてあげてほしいですね。
予備校では学力面だけではなく大学受験に向けた精神面でのサポートも必要となります。自分の受験経験を踏まえた上でアドバイスができる方が、予備校のチューターのアルバイトには適任であると言えます。
学習塾・進学塾のチューターの仕事
私の塾には、主に自習室を見て回る「チューター」がいました。勉強の進み具合や勉強方法についてアドバイスをしてくれました。
学習塾や進学塾のチューターのアルバイトの場合、仕事内容については生徒の学習面でのサポートの他に、教室運営のサポート業務が含まれることもあります。
担当する対象学年は小学生~高校生までと幅が広く、サポート内容は学習塾によって異なります。
学習塾の中には、専用の自習室を設けているところが多いため、使用状況の管理や室内での生徒の学習状況を見ながらアドバイスをするチューターのアルバイトは非常に重要な役割を果たしています。
教科や科目を教えることができるチューターであれば、その場で生徒の質問にも答えてあげたりしますが、専門外の教科や科目の場合は担当講師にその旨伝えて対応を依頼するなどつなぎ役をするなど、その場に応じて臨機応変に生徒へのサポートを行います。
予備校のチューターとは異なり、学習塾のチューターとして採用される方については、必ずしも学力の高さや教科の知識を求められるわけではありません。
学習塾のチューターは、親身になって生徒の話を聴き、生徒の気持ちに寄り添いながらも、勉強へのアドバイスができる面倒見の良い方が向いていると言えます。
チューターそのものの意味や役割を知りたい方は、まとめた記事がありますので参考にしてみてください。
チューターが行う生徒面談の内容は?
チューターは定期的に生徒との面談を行います。
面談と聞くと固い感じがしますが、生徒本人が日頃困っていることや悩んでいることを聴き、次のステップに向けたアドバイスを行うのが面談の目的です。
面談時に最も多い相談内容は、「生徒自身の将来や受験について」です。
特に進学を考えている中学3年生・高校3年生にとって、初めて経験する高校受験・大学受験に対する不安感はとても大きいものです。
本当にこの学校を目指していていいの?今の成績で大丈夫?受験落ちたらどうしよう・・・
漠然とした不安に襲われるのは誰にでもあることです。
そんな時、チューター自身の経験と共に、「今すぐに取り組めること」を一緒に考えてあげるのが一番良いのではないでしょうか。
人は何か目標に向かって動き出したり解決の糸口が見えた時、やる気が出たりモチベーションが上がります。
そのきっかけとなるアドバイスをしてあげるのが一番効果的です。
また、この面談時に志望校のヒアリングや受講している授業に対する満足度、自習室などの塾内施設に対する満足度調査を行うこともあります。
ヒアリングした内容はまとめて各担当にフィードバックをし、今後の授業や施設運用の改善に向けて動くようにします。
集団指導が中心の学習塾ではチューターが各生徒の担任としてつき、生徒一人一人の状況を確認するために面談を実施する場合があります。
個別指導を展開している学習塾では、担当の講師がチューターと同じような役割を果たします。
チューターのやりがいや普段から意識していることは?
チューターのバイトを経験したことがある先輩たちに、これまで出会った生徒たちとの実際にあった出来事ややりがい・日頃意識しながら対応していることについて教えてもらいました。
赤点を脱出させることができた時
僕がチューターとして採用されて間もない時、特定の科目がいつも赤点で毎回悩んでいる高1の生徒がいました。
授業はしっかり受けているのに、テスト本番になると頭が真っ白になってしまうそうで、もう勉強が嫌だと言っていました。
その科目に対する苦手意識も強く、そもそも演習の時間が足りないと感じていたため、一旦面談を組んでテストに向けた対策と勉強の進め方について話し合ってみました。
家では集中できないというので、自習室に来てみたらという話もしました。
自習室での様子ははじめのうちはダラダラしていたけど、周りの受験生の気迫に押されたのか少しずつ真面目に問題に向かうようになりました。
次の定期テストでは、見事赤点から脱却し、徐々に平均点レベルまで上げることができたんです。
これは僕も嬉しかったですね。受験勉強の進め方や時間の使い方、テストを解く時のコツって、授業では教えてくれないものです。
チューター経験歴4年2か月 大学院生
僕が伝えた勉強法を少しずつ自分のやり方に変え、生徒自ら目標を達成する姿を間近で見れるのはチューターをしていて感じる大きなやりがいですね。
塾講師は問題の解き方や試験に出るポイントなどを教えるのが仕事ですが、チューターは勉強そのものへの取り組み方や考え方などをアドバイスするのが仕事です。
生徒たちは自分なりの勉強法を何とか見つけようとしますが、なかなか見つけられず意欲だけが空回りしてしまうことがあります。
「こんな方法もあるよ」「こういう流れでやってみたら?」というアドバイス一つで、その後の勉強への取り組み方が変わる生徒は非常に多いのです。
また、受験を経験した第三者からのアドバイスは比較的受け入れやすくなります。
チューターからのアドバイスをもとに、自らの勉強に活かしてくれている姿を見ると、やりがいにつながります。
生徒からの相談に対する言葉選び
受験シーズンを迎えると、多くの受験生たちの受験に対する不安や悩みについての相談を受けます。
チューター経験歴2年6か月
この時期の生徒たちは本当にナイーブです。
SNSなどの不確実な情報によって受験生の心が乱されてしまうことも多々あります。
覚えていた単語が書けなかったらどうしよう?
重要な公式はやっぱり直前まで見ておいた方がいいよね?
受験会場に持っていった方が良いものって何?
受験前日は何を食べればいい?当日は?お弁当の中身は?
生徒たちの相談は本当に様々で、自分の背中を押してくれる一言が欲しいという思いがひしひしと伝わります。
こんな時、チューターが冷たく対応してしまうと受験にも影響が出てしまいます。
一言ひとこと、今目の前の生徒にとって最適なアドバイスをしてあげるようにしています。
合否が出るまでの期間、チューター自身も実はそわそわしてます。
普段授業を教えている講師よりも、直接生徒たちと交わす言葉が多いのがチューターだからかもしれませんね。
頑張っている姿を見てきているので、どうか受かってほしい。
そんな想いを持ってカウンターで待つようにしています。
言葉というのは何気なく使っていると相手を傷つけてしまうことがあります。
特に受験学年の生徒は周囲からの言葉に非常に敏感です。
生徒との何気ない会話でも、常に言葉の重みを意識しながら話すことが大切です。
大学生がチューターバイトで得られるスキルとは?
社会人としてのマナー
チューターの仕事には教室内の事務サポートが含まれることもあります。
保護者対応や電話応対なども含まれるため、言葉遣いや立ち振る舞い等の社会人としての基礎的なマナーや知識が身につきます。
深く相手の話を引き出す質問力
目の前にいる生徒の悩み事をただ聞いているだけではチューターは務まりません。
悩みの根本となる原因を一緒に見つ出し、解決に向けてアドバイスを行います。
そのためには相手のことを知ろうすることが大事です。
生徒との面談をしているうちに、自然と質問力は伸びることでしょう。
生徒を導くマネジメント力
学習塾のチューターは、自習室に来ている小学生や中学生を対象に、学習習慣の定着を図るためのアドバイスも行います。具体的には、相手の視点に立って目標を一緒に決めたり、その目標を達成するための進捗を確認したりすることです。
言い換えるとチューターは生徒の成長のマネジメントを行っていることになります。
人に何かを教える経験は塾講師で積むことができますが、人を成長させるためのマネジメントを行うことはチューターの方がより多く経験できるのではないかと思います。
気になるチューターの給料。時給は?
チューターの時給は塾によってもばらばらですが、時給1,100円~1,200円台が多いようです。
勤務できるのは、午後から夜にかけての時間帯となり、大学の授業後に勤務する場合、17時~21時の時間帯が勤務時間となります。
予備校に在籍するチューターの場合はもっと早くから勤務できる場合もあります。
塾講師のように教えることがメインの仕事ではないため、どちらかといえば事務職と同じような給与体系になっていると考えた方がよいでしょう。
チューターに研修制度はある?未経験でもできる?
チューターに対する研修内容については、ほとんどが受験や事務に関するものが中心となります。
塾によっては事務作業も兼任することもあり、電話応対やシステムの操作方法、データ入力に関する基礎等を研修で行います。
生徒へのカウンセリングや学習アドバイスの流れについて、研修を通して学ぶこともあります。
チューターは講師とは異なるため、勉強内容に関する質問に来る生徒に対し、全てを教え過ぎないようにアドバイスでとどめてあげる場合が多いようです。
栄光ゼミナールでは、生徒が自力で答えを出せるようになることが理想ですので、チューターが教え過ぎず、解答を出すまでのヒントを出しながら生徒が次の一歩を踏み出せるようにしています
栄光ゼミナールならチューターも塾講師も経験できる!
首都圏を中心に約570教室を展開している学習塾『栄光ゼミナール』をご存知ですか?
栄光ゼミナールでは、小学生・中学生・高校生を対象に、自分が得意な科目で授業を担当していただきます。
集団指導・個別指導・オンライン指導など、自分に合った指導形態も選べます。
栄光ゼミナールでは教室によってチューターを配置している教室もあります。
基本的には自習室に来る生徒たちの様子を見ながら相談に乗ったり、教室内の環境を整備するのがメインの業務となります。
本当は塾講師に興味があるけど、まずはチューターからやってみて教室に慣れたいと考えて応募していただく方も多くいらっしゃいます。
チューターや塾講師に興味のある方、まずは栄光ゼミナールに応募してみませんか?